「熱」って大事じゃね?

ちと後ろ向きな考えかもしれませんですが、ものすごい極論を言うと、「製品」の開発を行うにあたって、協力会社なんて使っちゃいかんのじゃないかと思うよ。

自分の体験した現場の周りしか見えてないから、「違うよ。全然違うよ。」って話もあるかもしれないけど、極端なのを承知で書かせてもらいます。あと、以下はそれなりに大きな会社が自社製品として売るものを開発する際に、協力会社を使っている現場を想定しています。受託開発だとまた違うと思うので、念のため。

そこそこ大きい会社には、いわゆるプロパー、つまりそこの会社の社員だけではなくて、「協力会社」という立場の人間がわんさといる。そして、その会社が売っている製品の根幹をなす部分を作っているのは、多くの場合社員ではなくて協力会社の人間だったりする。製品の中身を細かく把握しているのは、往々にしてプロパーではなく協力会社の人間だったりするのはよくある話。これも問題だけど、まあとりあえずここでは置いておいて。

そこで感じること。プロパーが、いくら自社製品の売り上げをよくするためにやる気を出して「熱く」なったとしても、その「熱」は実際に製品を作っている協力会社の人間には伝わらない。協力会社にとっても当然ビジネスなので、やると言われたことはきちっとやるし品質もそれなりにいいものもできるだろう。でも、「よりよい製品を作ってやろう」とはなかなかならない。そうしないといいものは作れない、と頭ではわかっていても、「熱く」なれない。それは、自分自身をふりかえってみてもそう思う。

その製品は、プロパーの人にとっては自社製品化もしれないが、協力会社の人にとっては自社製品ではない。下請けとして、その製品の開発プロジェクトに関わっている、という事実があるだけ。その製品がどのように使われ、どの程度売り上げがあり、市場にどのように評価され、会社は今後どう育てていきたいのか、協力会社(≒実開発員)まではなかなか伝わらない。つまり、協力会社の人間は、その製品に対するビジネス的観点なんて持ちようがない。

頭の中では、「もっとよりよい製品にしてやろう」と考えていた(もしくは考えたいと思っている)としても、会社の壁というのはいろんな面(心理的側面含めて)で厚い。部の方針、特に製品の開発方針なんかには、協力会社の人間にはまったくもって手に届く範囲にない。お上のお達しを、へへーといってありがたくちょうだいするだけだ。

それでも、開発はプロパーだけではまかなえない(と思っているだろう)ことも事実。とすれば、なんとかして協力会社まで熱を伝えなければならない。そこをどう埋めていくかもマネジメントの手腕かもしれないが、限界もあるんではないかね。このへんの壁をぶち抜く妙案はないものかね。

自分のやっている仕事を否定するような意見だけど、まあそんなことを考えていたわけでした。