先週の読書履歴

先週も一冊。ペースが上がりませんなあ。

ザ・ファシリテーター2―理屈じゃ、誰も動かない!

ザ・ファシリテーター2―理屈じゃ、誰も動かない!

ファシリテーターが、企業の変革にどう影響していけるかの描写が、物語スタイルで描かれているのは前作と同様です。本編の主人公(の一人)も、前作と同じバリバリのキャリアウーマン(死語?)。はじめの方はなかなか出てきませんけどね。

今回は、買収した企業とのシナジーや業績に結びつかない研究所の問題など、企業戦略の中身も描写されていて、読んでいて面白いことは面白いんだけれど、身近な題材か、と言われると微妙な感じ。でも、組織変革に対してのファシリテーションの実態や、ぶつかる壁なんかの描写が詳しく書いてあり、参考になりそうな部分もたくさんありました。ただ、主人公ができる人過ぎるだろ、と思わなくもない(^^;

興味深かったのは、一般的な(僕の、かもしれない)「ファシリテーター」の認識とはちょっと違った見方が示された部分です。ファシリテーターといえば、中立的な立場でありそこで話される議論の内容に口は出さない(参加メンバの意見を尊重する)、というのがセオリーだと思いこんでいました。でも、

チームの出した答えだからとそのまま受け取る必要はない。それが幼稚なものだったり、効果の薄いものだったら、そう指摘してやり直させる。参加者のレベルを超える問題の解決を迫られているのなら、答えを提示して考えさせることもありだと私は思います。

ファシリテーションというのは、「優しくすること」ではなく「易しくすること」、「促進」という意味があります。結果を出すためにやっているのですよ。

結果出せてナンボ、ということですね。ファシリテーターがあまり答えを言うと頼ってしまってよくない、という側面もあるとは思いますが、このあたりは目から鱗でした。